TOP 開発者 灰谷孝ブログ ただいま絶賛発達中【発達障がいと視力の関係】

ただいま絶賛発達中【発達障がいと視力の関係】

2020.06.20

視力の問題っていうと近視を思い浮かべる人が多いですが、子どもの発達や学習をサポートする上で知っておいて欲しいのが「遠視」です。

今から2年前、生後6ヶ月の幼児からの視力をチェックできる機械を使って、僕のところに来てくれている主に自閉症と言われているお子さんの度数を測ったら、全員が遠視でした。

6歳くらいまでのほとんどの子どもは遠視傾向やし、遠視だから発達障害ってことはもちろんないのですが、

遠視を知れば子どもの「なんでそんなことするの?」という謎が理解できたり、

遠視を考慮した眼鏡を作れば、発達課題と思われてたことがどんどん解決したりすることがあります。

ちなみに遠視とは

「遠くはとても良く見えるが、近くは見えにくい」

「遠くも近くもよく見えているが、実は目が頑張っている」

「遠くも近くも見えにくい」

というような状態です。(遠視の程度によって変わります)

なので、子供の見え方を理解するためには、

遠方視力(約5m)

近方視力(約30〜50cm)

を「最低でも」考慮してくれる眼科さんや眼鏡屋さんを選びましょう。

遠視のお子さんは基本的に、靴を履いたり、字を書いたり、本を読んだり、食事をしたりする「近いところを見る」ことに対して時間がかかったり、苦手に見えることが多いです。

ほかにも遠視のお子さんの様子は

・同年代の子に比べて落ち着きがない(ように見える)

・何でも触ろうとする

・不思議なことを話しがち

・独特な感性を持っている

・直観がするどい

・書字や読字が苦手または時間がかかる

・ぼーっとする

・集中が続かない

・感覚過敏

・姿勢が崩れやすい

つまり、子どもとして当たり前のことでありながら、学校や社会ではなまけとかふざけてるとか言われがちなことです。

学校とかだと遠方視力だけ調べるので「目がいいですね」とか「検査のたびに視力が違うけどなんでだろう?」とか言われて、遠視による頑張り感を見逃されていることがあります。

遠視のお子さんが眼鏡をかけることで、とても喜ぶ事が多いという体験を私はたくさんしているのですが、

実はここからが大事ですが、遠視のお子さんの見え方は

「度数=遠視用のレンズ」

だけを入れてもあまり解決しません。

(程度によります。特に弱視がある場合は別です。)

それはなぜかというと、

遠視による本当の学習や生活の頑張り、お困りの原因は

【眩しさ】

だからです。

つまり、遠視の方の眼鏡を作る上で絶対に考えないといけないことは

【日常にある「明るすぎる問題」を解決するということです】

眼鏡でいうと、カラーレンズおよびカラーフレームが大切です。どの色によって見えやすさや視力(コントラスト視力)が改善されるかが、一人ひとり違います。

日常の生活でできることは

・特に夜、照明を落として過ごす(推奨50ルクス)

・夕方など日光が目に入りやすい時間帯はサングラスを利用する

・暗く過ごせる場所を用意する(押入れなど)

・カラーのフィルムや定規を利用して字を読む

とにかく、現代の明るさから逃れられる環境や場所が大切です。

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